1年道徳~人権(思いやり)について考える~
- 公開日
- 2025/12/10
- 更新日
- 2025/12/10
日記
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本日(12/10)は世界人権デー(世界人権宣言の採択記念日)。1年生が道徳の授業を通して「人権について考える」時間を持ちました。
題材は「見えない親切」、テーマは「思いやり」です
話は、ある日、中学生の美里がバス内で気持ちよくお年寄りに席を譲ったことから始まります。後日、バス内で優先席に座っていた若い男性がお年寄りに席を譲る姿を見かけますが、男性は何も声をかけずに静かに席を離れるだけでした。その後、男性は側に立っていた別のお年寄りがバスの揺れで倒れないよう腰を手で支えているようでした。さらに、バスから降りて歩く男性の姿を見た美里は、その男性が実は足が不自由だったことを知ります。そんな男性の他人を思いやる姿をふり返り、美里は目に見えない形の親切や、さりげない思いやりの大切さに気づく…といった内容です。
今回の学習のねらいは、相手の立場や気持ちを推し量り、本当に助けが必要な時に、見返りを求めず、そっと手を差し伸べたり温かく見守ったりする「真の思いやり」や「主体的な行動力」を育むことにあります。「親切・思いやり」の価値理解を通して自己を見つめ直し、他者と共により良く生きるための道徳性の基盤を養うことを目指します。
同じ席を譲る行為でも、美里と若い男性とではどんな違いがあるのか…1年生は二人の行動が示す思いやりの形についてじっくりと考え、友達と語り合いました。それぞれ美里と若い男性のどちらの行動・姿により共感し、「自分もこうありたい」という願いを持ったでしょうか。「美里のようにはっきり言葉で伝えないと、相手に思いやりの気持ちが伝わらないのではないか」「美里と違って男性は相手から感謝されたいという思いがなかったのではないか」など、生徒なりに思考を深める言葉がよく聞こえてきました。「考え、議論する道徳」の授業へと進んでいく過程がよく分かりました。「見える親切」と「見えない親切」…どちらにより高い価値を感じるでしょうか。もう少し時間があれば、さらなる議論の深まりにつながったことでしょう。
ちなみに、1年生の皆さんが「思いやり」を感じたのはどんなときか。「部活動の大会でお守りを渡されて励まされたとき」「給食当番をしていて用務員さんに『ありがとう』と言われたとき」「給食準備が遅れたとき、みんなが何も言わずに待っていてくれたとき」…。やはり「見える」ものもあれば、「見えない」ものもあるようです。このように「親切・思いやり」の行動にも様々な形があり、いずれの価値も認めることで、今後の自身の生活をより豊かにしていく…そんな1年生の姿が今後は期待できるのではないかと思います。
今日で人権週間は終わりますが、今日こそ改めて人権尊重(互いの立場を認め合い、尊重し合う)の精神を大切にして学校生活をリスタートさせる吉日と言えるでしょう。生徒玄関前廊下の掲示板に掲げられた全校生徒の「人権標語」が輝いて見えます。