2年:朝の読み聞かせ~ぜつぼうの濁点~
- 公開日
- 2025/12/11
- 更新日
- 2025/12/11
日記
+4
本日は、2年教室にて朝の読み聞かせタイムを実施。
来校いただいたボランティアさんは、絵本「ぜつぼうの濁点」を2年生に紹介し、読み聞かせを始めてくださいました。
題名だけ聞くと「朝から縁起でもない…」と思いますが、最後まで読めば「明るい○○○」を与えてくれる…そんな絵本でした。「言葉」を擬人化した物語で、言葉遊びを通して話が展開していき、最後は心温まるオチがあります。
時は昔、「言葉の世界」の真ん中に「ひらがなの国」がありました。「あ」から「ん」までの五十音がくっつき合って意味を成す言葉たちが暮らす国です。その中で主人公の濁点「゛」は「ぜつぼう」の「せ」の字に長年仕えてきたのですが、自分がいない方が「ぜつぼう(絶望)」が「せつぼう(切望)」に変わると思い、別の主を探す旅に出ます。しかし、巡り会うひらがなたちに避けられ続けて行き場を失う濁点「゛」。最終的に「おせわ(お世話)」さんに助けられる…と思いきや「し(死)」の沼に放り投げられ絶体絶命。その沼底から湧き上がってきたのが「きほう(気泡)」でした。思わず濁点「゛」が「ほ」の字に付いたことで、何と「きぼう(希望)」に変身。新たな出会いにより新たな意味と価値が生まれ、まさに「明るいきぼう(希望)」を取り戻す…という内容でした。
自分の居場所や存在意義を見つけることの大切さを教えてくれる…そんな希望に満ちた絵本と言えます。一般的に日本の中学生は他国と比べて自己肯定感が低い傾向にあると言われる現状を踏まえ、ボランティアさんがあえて選定してくださった一冊だったのではないでしょうか。「生まれてきたもの(人)に存在価値のないもの(人)など絶対にない」。そんなボランティアさんの思いが、読み聞かせを通して2年生に伝わったことでしょう。今日も真剣な表情で読み聞かせを「目で聴く」2年生の姿を見ていてそう思いました。
日ごろは自信と前向きさに満ちた姿をよく見せてくれる2年生諸君も、この先長い人生において時には自分を見失うことがあるかもしれません。そんな時には、今日の一冊「ぜつぼうの濁点」を思い出してもらいたいと思います。「変化はチャンス!」「ピンチはチャンス!」そして「出会いはチャンス!」です。