学校日記

1年「命の学習」~赤ちゃんとのふれあい・妊婦体験~

公開日
2025/11/19
更新日
2025/11/19

日記

 昨日(11/18:火)の5・6限目に、1年生を対象とした「命の学習」を実施。

 講師として「あっとほーむいきいき館」にお勤めの保健師さんに来校いただき、「赤ちゃんとのふれあい体験」及び「妊婦体験」をさせていただきました。

 はじめに全体で、保健師さんによる「生命誕生・成長発達」についての講話を聞きました。お母さんのお腹の中で胎児が大きくなる過程、生後赤ちゃんが成長していく過程について詳しく学びました。話を聞いている時の1年生の表情が何とも真剣で、保健師さん曰く「命がけで」自分を産んでくれた母親に対する感謝の念を抱いたことと思います。それもそのはず…1年生は事前に「自分の生まれたとき・赤ちゃんのときをふりかえろう」ということで、家族から聞き取りをしたり当時の写真や母子手帳・へその緒などを見せてもらったりして、その感想がまとめてあったようです。それだけに、保健師さんの講話は心に染み入るものになったのではないでしょうか。

 講話後は、赤ちゃん人形を使って「抱っこ」する練習に取り組んだ1年生。「C」(優しく抱え込む腕の形)と「M」(赤ちゃんの両足のポーズ)の形を意識するよう助言を受けたおかげで、どの1年生も立派に赤ちゃんの「縦抱き」ができていました。

 その後、2グループに分かれて体験活動に移りました。1班は最初に妊婦体験をした後に赤ちゃんとのふれあい体験を、2班はその逆の順で行いました。

 まずは「妊婦体験」の様子。妊娠中の体の変化や重さを体験できる「妊婦疑似体験ジャケット」を着用して、日常の様々な動きに挑戦します。お腹の膨らんだ状態で、約10㎏の重さを抱えています。しかもお腹の中には大切な胎児がいるという想定。そんな状態で「仰向けで寝る・寝返りをうつ・起き上がる」「床に座る・椅子に座る」「靴や靴下の脱ぎ履き」「階段の上り下り」…思った以上に動きづらく、体力も気も使うようでした。妊娠から出産までの約10カ月間、お母さんはどんな思いをして過ごしてきたのか… 1年生はその”大変さ”や”辛さ”を体験し、「いたわりの気持ち」や「親への感謝の気持ち」を学習したのではないかと思います。

 一方、「赤ちゃんとのふれあい体験」では、町内に住んでいらっしゃる2組の母子が来校の上、協力してくださいました。赤ちゃんは生後3ヶ月と4ヶ月…まだ首もすわっていないのではないでしょうか。そんな赤ちゃんを1年生は順番に抱っこさせてもらいました。練習時の人形相手とは勝手が違ったか、誰もが恐る恐る抱っこする様子がうかがえました。「やわらか!」「あったか!」「手、小さ!」「かわいい!」…抱っこする1年生から、本物の命の重さを実感する言葉が次々と出てきました。もう一人の赤ちゃんはと言うと…泣きっぱなし。さすがに1年生も抱っこするには気が引けたのか、お母さんが抱っこしてなだめる様子を観察したり、おもちゃであやしてみたりと、泣き止んでくれるのを粘り強く待っていました。先の講話で保健師さんがおっしゃった「抱っこして泣かれても大丈夫。いつものお母さんと違うことが分かっているということだから、これも成長してるってこと」との言葉が、しっかりと頭に入っていたからこその行動と言えるでしょう。最後は泣き止んだ赤ちゃんを抱っこできた…のではなかったでしょうか。

 この度、貴重な体験機会を提供いただいた保健師さん、そして生まれたばかりの大切なお子さんを連れて協力いただいたお母さん方には、心より感謝いたします。身ごもるお母さんの苦労、生まれたばかりの小さな命の尊さ、生まれてきた我が子に対する親の深い愛情を学んだ1年生。自分も、また身近な友達も、同じようにして生まれてきた「かけがえのない存在」であること、そして家族の深い愛情を注がれてここまで成長してきた「唯一無二の存在」であることを実感できたなら、今後の生活もきっと変わってくるものと思います。こうした体験・学びの積み重ねを通して、1年生(はもちろん全校生徒)が、学校・家庭・地域において互いの存在を認め合い、尊重し合っていけるようになることを願っています。